「選集」には入ってないけど単行本で読める大島弓子作品

大島弓子作品を網羅的に読むならとりあえずは朝日ソノラマの『大島弓子選集』1-16巻を揃えることだけど、「全集」ではないので未収録作も当然あります。でもその結構な割合が他の単行本で読めたりする。絶版の本が多いけど、漫画古書店を巡ればそんなに高くなく揃えられるし、何より雑誌なんかよりずっと探しやすい。で、闇雲に単行本を集めるよりも、選集未収録作の載ってるものだけとりあえず重点的に集める方がいいかなと思い、未収録作が載ってる単行本をリスト化してみた。
基本的に漫画作品のみで、手に入りにくいイラストブックや絵本(『すいーん星旅行記』とか『ディーゼルカー』とか)、あと巻末あとがき漫画とかは省略。あと自分で探した時もだけどかなりキネマ旬報社の『マンガ夜話vol.2』を参考にしてる。もし抜けがあったらぜひ教えてください。

大島弓子選集 (第1巻) 誕生

大島弓子選集 (第1巻) 誕生

マンガ夜話 (Vol.2) (キネ旬ムック)

マンガ夜話 (Vol.2) (キネ旬ムック)


まずは最近刊行の本だと
・『ロストハウス』(角川書店、A5)
・『雑草物語』(角川書店、A5)
・『グーグーだって猫である』1〜3巻(角川書店、A5)
とりあえず『選集』以降の単行本。『ロストハウス』には5編(白泉社文庫版もあるけど持ってない)、『雑草物語』は表題作とあとイラストストーリーとか、『グーグー〜』は連載。Amazonでは品切れもあるけど新刊でも手に入りうるものだと思う。
・『なずなよなずな』(白泉社、文庫判)
・『ほうせんか・ぱん』(白泉社、文庫判)
案外知られてないのがこの辺。「白泉社文庫版は選集のよりぬきでしょ?」と思ってたんだけど…。『なずなよなずな』は表題作が選集に入っていない。ていうかそもそも単行本初収録なのに表紙にも帯にも何にも書いてない…。あとがき漫画によると、紛失してた原稿がひょっこり出てきたので文庫に入れたみたい。74年(「ほうせんか・ぱん」の頃)の作品で、90ページもあるので是非読んでおくべき。
今調べたら分かったんだけど、『ほうせんか・ぱん』には下で挙げてる「まだ宵のくち」が収録されてるみたい。もちろんこっちの方が手に入りやすいと思う。

グーグーだって猫である (3)

グーグーだって猫である (3)

なずなよなずな (白泉社文庫)

なずなよなずな (白泉社文庫)


ここから絶版の本。
・『ポーラの涙ペールの涙』(サンコミ、新書判)
1、2冊目のコミックスは全部選集に入ってるけど、『ポーラ〜』は未収録作が多い。「幸せさんふりむいて!」「別れへの招待」「生きていた過去」の3作(あわせて100Pくらい)が未収録。70年前後の作品。
・『野イバラ荘園』(サンコミ、新書判)
「夏の夜の夢」「いちごの庭」「禁じられた遊び」(あわせて90Pくらい)が未収録。71-74年の作品。「夏の夜の夢」はもちろんシェイクスピアのを元にしてて、マンガと言うよりイラストストーリー。「いちごの庭」はツルゲーネフ『初恋』を底にしてるらしい。(4/21追記:って「禁じられた遊び」も今読み返したらまさに映画のだった)
・『星にいく汽車』(集英社、文庫判)
今の漫画文庫ではなくて昔あった漫画文庫。「3月になれば」(40P)が収録。本には何年か書いてないけど『夜話』によれば72年ってある。
・『リベルテ144時間』(サンコミストロベリー、新書判)
サンコミで苺マークがついてるやつ(『夜話』によればサンリオのA5上製本『草冠の姫』にも入ってるらしいけど多分こっちが入手しやすい?)。「まだ宵のくち」(52P、76年)が収録。76年って「全て緑に〜」とか「アポストロフィーS」とかが描かれた年で、その頃の作品が好きな人にはぜひ読んで欲しい。
・『草冠の姫』(サンコミストロベリー、新書判)
「ハイネよんで」(40P、76年)が収録。これもサンリオの上製本に入ってるみたいだけど(そう考えるとそっちを持ってた方がいいのかなあ)自分が持ってるのは新書判。
・『水枕羽枕』(サンコミストロベリー、新書判)
「雪の日のすごし方」「ミルク・ラプソディI,II」いずれもイラストストーリー。「ミルク〜」はチビ猫とか出てくる。
・『サバタイム』(角川書店、B5より小さめ)
絵本だったっけと思って今見たらコマ割った漫画だった(ってさらに『ディーゼルカー』見てみたらやっぱりコマ割ってた。すいーん星は持ってないので情報募集)。もちろんサバの話。90年頃連載のオールカラー作品。これはちょこっと手に入りにくいかも。(4/22追記:頂いた情報によると、白泉社文庫『サバの夏が来た』にサバタイムが入ってるそうです。カラーではないみたいですが)
あわせると漫画作品だけで10作くらい読めるのかなあ。77年以降の(エッセイを除く)漫画作品で単行本に入ってないのって82年の「密造アップルサイダー」くらい?(かなーり前にヤフオクに出てた気が)
逆に選集で初めて収録された作品もあって、たとえば『綿の国星』は花とゆめコミックス(1-7巻)だと21話までだけど、選集および文庫では23話までだったりする。花ゆめ版だけ持ってて続きを読んでない人は意外と多いかも。


おまけ
こんなマンガがあったのか!』(メディアファクトリー、単行本)
大島弓子木原敏江の合作漫画「にじゅういちめんそうとあけちたんてい」が載ってるらしい。持ってないけど(ちらっと見たことはある)
もちろんこれも選集未収録。