close/cross (close, not cross)

たとえば自分は「成長」という言葉が嫌いで、それはその語が、全ての人が目標とすべき唯一の到達点があって、そこへの距離を縮めることだけが「成長」で、そこからの距離によってのみ全ての人が計測されてしまうかのような意味を暗に含んでいるように見られるからだと思う。それは恋愛(を含む関係)も同じで、到達点を設けること、そこまでの階段状の目盛りを刻むこと(AとかBとかCとかね)、あるはずのない段差を怖れること、稠密に存在する関係の数値を無視すること。強姦と売春の忌避として恋愛を選択するオンナノコは強姦が法的に禁止されてるから恋愛するオトコノコと同義で、それはつまりは距離と関係の混同かもしれない。
存在や関係を数直線化する一次元の人々に抗して、私達は二次元に図像を描こう。規定した一点への到達を目的とするのではなく、反比例の双曲線のように、永遠に漸近する、交差しない、close/cross (close, not cross)、がこのページのコンセプトです。たとえば暖色とも寒色ともつかない黄色だったり、熱を与えない冷たいヒカリだったり、ささやかな奇跡のように手を繋いだり、そういうものに比することもできるかもしれません。(2003/8)