すぎ恵美子『UワクCテネ』『あぶない男女交際』

めちゃめちゃめちゃ上手い。デビュー単行本でこれだけ上手いって今の新人にはそうそういないんじゃないだろうか。
話作りが上手いとか面白い、というのと、ちょっとエッチ、というのは、それぞれそれだけって漫画はいくつも思いつくけど、その両者を満たすっていうのは実は相当難しい(そして、そのどちらかが達成されている作品より、どちらも達成されている作品の方が当然「面白い」)。時には後者に頼ってしまい前者がおろそかになってしまったり、時には前者の方向性によって後者と相反するものになってしまったり(そしてそれを読む私たちの方にも、そのどちらかに偏ってしまうことで見えなくなってしまうことが多々あるような気がする)。だから、エッチ系少女漫画が今これだけ根強いのは、その嚆矢となったすぎ恵美子の個人的な能力の高さがかなり貢献しているのではないかと思う。
あと、初読で思ったのは、川原由美子の初期作品に似ているなと。絵柄とかモノローグの流れ方とか。80年代前半の小学館系になにか繋がりがあるのだろうか。
あと「雪*ゆきストーリー」ってタイトルは陸奥A子の「雪雪物語」となんか関係があるのかなーとか。