あとがき漫画・1/4スペース


http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20071026


あとがき漫画じゃなくて少女漫画のいわゆる1/4スペースだけど、前調べようとしてて中途になった文章があったので載せてみる(mixiに載せた)


下で「エイリアン通り」が最初と書いてるけど、その後調べたら「あいつ」1巻(1980年ごろ)にもあった。「みき&ユーティ」以前は調べてないので不明。あと、あとがきスペースについては今調べたら大矢ちき「おじゃまさんリュリュ」(1975)には「ちきちゃまのまんが履歴書」というコーナーがあった。
まとめると、今のところ自分が調べてるうちで最古は成田美名子(1980年)。それ以前のをご存知でしたらブクマとかで教えてください
1/4スペースで近況を書く以前は小さなカットが載ってたり、あとはうまく隣のコマとつないでまるでそこに広告スペースが無かったかのように改稿するのが主流


以下転載

          • -

前々から謎だったことに
「少女漫画のコミックスのいわゆる『1/4スペース』に、イラストではなく近況や制作秘話などの文章(フリートーク)が載るようになり始めたのはいつごろか?」
というのがある。
予想としては1982-84年頃が最初で、さらにそうなったのは少女小説的なものの影響なんじゃないか(ぶっちゃけていうと新井素子のあとがき!うわー新井素子一神教信者がいるよー)と前から思っていたのだけど。


手元にある本でてきとうに調べてみると
(○○年になければ、それ以前にもないだろうという前提で本を選んでいる。「あり」はその作家の持ってるうちで最も古い本で1/4スペースがあったもの)
竹本泉「あおいちゃんパニック!」1 なかよしC(1983):なし
川原由美子「前略・ミルクハウス」1-4 フラワーC(1983-84):なし(5-10巻には1/4スペース自体見つからなかった)
わかつきめぐみ「不協和音ラプソディ」花ゆめC(1984):あり
清原なつの「あざやかな瞬間」りぼんC(1985):なし
田渕由美子「浪漫葡萄酒」りぼんC(1985):なし
萩岩睦美銀曜日のおとぎばなし」6 りぼんC(1985):なし
竹坂かほり「花は幽かに…」1 ぶーけC(1985):なし
榛野なな恵「ピーチパイ・デイズ」セブンティーンC(1987):なし
芳成かなこ「花模様の夜に」マーガレットC(1987):なし
清原なつの「群青の日々」ぶーけC(1987):あり
岡野史佳海育ちの風」花ゆめC(1987):あり
夢路行「緑野」ぶーけC(1988):あり
竹坂かほり「空のオルガン」1 ぶーけC(1988):あり
くらもちふさこ「チープスリル」1 マーガレットC(1991):なし
ひうらさとる月下美人」3 なかよしC(1991):あり
相模なつき「野葡萄浪漫」マーガレットC(1991):あり
谷川史子「各駅停車」りぼんC(1992):なし
谷川史子「ぼくらの気持ち」りぼんC(1996):あり


出版社・レーベル、あるいは作家によっても違うのかもしれない(くらもちとか昔デビューした作家にはないけど最近の作家は全部あるとか)。同じ作家で、ある時期はイラストである時期から文章になったというのがあればいいのだけど、清原なつの・竹坂かほりと谷川史子くらいしか調べられなかった。あと86〜90年頃のりぼんCと82〜87年頃の花ゆめCの資料があるとある程度はっきりしてくると思う。誰か調べてください。
てことで、予想としては
・80年代前半に花ゆめCで始まった
ぶ〜けCは86-87年頃から、マーガレット・りぼん・なかよしCは80年代後半から90年代初めにフリートークが始まった。フラワーCは不明
・70年代デビューや乙女ちっく時代の作家はフリートークを書かない。80年代後半デビューの作家から書き始める
・90年代初頭から「必ずフリートークを書く」風潮が広まる
こんな感じだと思う。(ていうか上の調べ方はあんまりよくない。できれば毎年その年にデビューした作家について調べたい)


あと、そもそも1/4スペース(を作る、漫画ページに入る広告部分)ってたぶん少女漫画独自のものだと思うけど、どうして広告が入るのが普通になったのか、どうして今でも続いているのかというのも疑問。もしかしたら今は逆に、コミックスに1/4スペースを作るために広告を入れてるのかもしれないけれど。

            • -

上の続きだけど調べたら
エイリアン通り」1巻(成田美名子・花ゆめC)1981年にはあった。
ついでに「マルチェロ物語」1巻(樹なつみ・花ゆめC)1982年にはなかった。


エイリアン〜のはイラスト+ちょっとコメントみたいな移行期に近い段階なので、この辺りが1/4スペースにコラムが載り始めた頃なんじゃないかと思う。できれば成田のエイリアン以前の作品を調べたい。


某氏にも聞いたけど、ルーツとしてはやはり70〜80年代の少女漫画のコマ背景によくある「背景や壁の模様などに(トーンの代わりに)アルファベットの文章を書く」というのが発展して出来たのではないかという意見も出た。
説としては
1)新井素子あたりの少女小説のあとがき文章が元
2)アルファベット背景が元
3)特に起源はない、コミックスのおまけページが進出しただけとか
あたり。
1)は、新井素子少女小説レーベルで本を出したのは80年7月の「いつか猫になる日まで」なので、81年のエイリアン〜に影響するにはいささか時間が足りない気がする。俺仮説は嘘っぽい。新井素子以前の少女小説(というか氷室冴子)はそういうあとがきはなかったと思うし、少女小説以外の一般的なあとがきにルーツを求めるのも違う気がする。「女性作家(漫画家)が女性読者と共感を共にする『文章スペース』を創り始めたのはいつか?」というのがこの疑問の根底にあるわけで。
2)は今度はアルファベット背景の起源を調べなきゃいけないのだけど、1/4スペースに比べて調べるのがめんどい。作家によってやったりやんなかったりするしね。そもそもアルファベット背景が1/4スペースに先んじてあったのかすら謎。(清原の「花岡ちゃん〜」にはあった気がする)
3)はこれもコミックスおまけページが1/4スペース以前にあったのかなあ。とりあえずウチにある田渕・清原・大島あたりには無いはず。内田善美にはあった気も…

          • -

続きは http://d.hatena.ne.jp/sayuk/20071028 の下に