保坂和志/ブックthe文藝1

id:sayuk:20030902#p2の続きで発見したので引用してみます。「ブックthe文藝(1)」1993/3/20発行(ISBN:4309008321)掲載のエッセイ「『よく知っていない何か』」より。

「ぼくは読みはじめた小説をほとんど読み通したことがない。いわゆる「おもしろい読み物」でもぼくはまず間違いなく飽きて放り出す。おもしろいと言われているものはパターンが同じで、そのパターンの同じことに飽きる。よく知っている波瀾の展開にも飽きるし、よく知っているセンチメンタリズムにも飽きるし、よく知っている悲しみにも飽きる。作家はほとんどの場合、よく知っていることに鈍感すぎる。そして読み手はそれに媚びてよく知っていないふりにつき合う。

今読むとそれほど傲慢ではないですね。当時高校生だった自分がどの辺との兼ね合いで傲慢さを感じたのか気になる。それとも金井美恵子に慣らされた??
「ブックthe文藝」に(1)を付けるか付けないかで90年代前半の河出書房新社への愛が試されます(嘘)。つまりAmazonには愛はないと。
(すっごい適当に言うと「文藝」は当時の純文学界(純文学界!)で「メフィスト」みたいなもので、「ブックthe文藝」は「ファウスト」。1号で潰れたけどファウストは頑張ってねみたいな)
(そうか、もし「ブックthe文藝」が続いてたら月姫緊急インタビュー」はこっちに載ってたんだ! はい次)

父性の不確実性

なんとなく気になった記事が両方asahi.comだったので。

回答者(これはお悩み相談だったみたいなんだけど)のこの部分が面白い。

【問題】以下の文の( )内に入る、最も適切と思う語句を選び、その番号を記せ。
・ある特定の他人と、ある条件の下で、性関係を持つことは、自分にとって、最も(     )選択である。

1)幸福な
2)利益の大きい
3)賢明な
4)大きな快楽が得られる
5)癒される

1)〜5)までは、どれも正解になりえます。
記述式にすれば、たくさんの答えがでてきそうですね。
ヘテロ関係における、男の身勝手」と非難されるのを承知でいえば、
「リスクがない」
「安上がりな」
「後腐れのない」
「気晴らしになる」
「うまみのある」
「手軽な」
なんてのも、正解といっていいかも知れません。
とくに中年男性の場合は、本音ベースだと見苦しい答がでてきそうだ。

女性の側からは、どんな答えが出てくるのか。
これはその人の経験や受けてきた教育などによって、千差万別でしょう。
男である私には、想像するしかありませんが、こちらもロマンチックな答えは、意外に少ないような気がします。

「屈辱的な」とかはどうなのかなあ。

「女性の胸は、男性に対して受胎OK状態であることをアピールし、性交を促すもの。つまりいま女性たちがより胸を露出したり、大きいほうがいいと願うのは、それだけオスの妊娠させる力が弱まっている証拠」
 なるほど。出生率の低下やセックスレス現象とも関係があるのか。言われてみれば、巨乳ブームとセックスレス問題が浮上した時期が合っている気がしないでもない。
 男性にとっては母性やセクシーさの象徴。でもそんな視線や思惑を無視できるぐらい、ブームのおかげで巨乳な女性たちは少し生きやすくなったのかもしれない。

それまでさんざ社会学的な話をしていて、生物学的な話が出てくると3秒で「なるほど」と言ってしまう所が面白い。


例えばAV女優より素人もの(smart girlsとかgirlfriends*1とかね)が好まれたりアイドルが最後にヌードになったりするのは、オトコノコが死ぬまでに1人でも多くのオンナノコの裸を見ることを至上の命題としてるからで、それが「1人でも多くの異性に自分の遺伝子を持つ子を孕ませるという生物学的な要求の代償行為」とされる状況。「少子化の進行する状況ではジェンダー論に生物学的な視点は入らないのでは」と僕は言ったのだけどもちろんそれが一蹴されるのは知っていて、セックスとジェンダーや性愛と恋愛が簡単に「理論的に」分離できるオンナノコの先行に対して、遺伝子の受け渡しが確実にできないオトコノコは常にセクシュアルな問題に動物的本能がかかわって「しまう」と理論が規定するのだ。
フェミニズムフェミニズムのままに未だ留まったオンナノコ達を追い抜くために、僕達は仮に「父性の不確実性コンプレックス」と名付けたそれの解消を第一目標にしてみよう、とかてきとーに提言。例えばそれを言い換えるなら「暴力とセックスとドラッグでしか物語的特異点を得られなかった、ある意味もう1つあったはずのペニス(ヴァギナ)を去勢(縫合)されたオトコノコ達のために『マリみて』のブームはあるんじゃないの?」とか言ってみたりみなかったり。(この続きはもちろん「ゆびさきミルクティー」の話!)

*1:素人もの(ほんとは素人じゃないけど見せかけで)AVの大ヒットシリーズ。オシャレ〜なジャケが特徴

宇宙のステルヴィア(23話)

今日は時間通り見てます。
「ミッションが終わるまでパイロットでいよう」より「もう決めちゃったんだ」の方が響きますね。結局少しでも関係を進歩させようとしてるのはしーぽんの方だけに見えて、能力の高低と感情(「感情」という能力)の高低が逆転してる、それをラストまでに決着付けられるのか。
あと今調べてみたけどグッズ少ないよ!