まゆたんブログを読んで、怒りや憤りよりもむしろ冷水を浴びせかけられたような感じになったのは、あの記事がただ新條まゆが「小学館ひどい」「編集者ひどい」と言いたいだけの内容では決してなくて、「コミュニケーション」と「信頼関係」の大切さというとても当たり前でまっとうなことを示したものだったということ、そしてこの話題の発端となる記事を読んだ時にまさに自分が脊髄反射的に感じた「小学館ひどい」「編集者ひどい」という(十把ひとからげな)意識が、まさにその「コミュニケーション」と「信頼関係」の欠如そのものだということに気付かされたからだと思う。もちろん書かれたショッキングな出来事には憤るのだけれど、そこで「もう小学館の漫画読むのやめる…」とか「出版社や編集者なんてみんなこんなものなのか…」と考えてしまうのだとしたら、そもそも漫画と読者の信頼関係を築いて来られたのか?と再度疑ってゆこうと思う。
・漫画と読者のコミュニケーション手段は乏しくて、手紙やアンケート葉書を出してみるとか、現在ではブログに感想を書くとかもその1つだと思うけど、いちばん基本になるのは「面白く読むか読まないか」というゼロと1だけのコミュニケーション。で、好きな漫画家が意に染まない(と表明している)作品を描かされていてそしてそれがつまらない、というのだと話は単純なのだけれど、作品はすごく面白いけど作者は苦しみ嫌がっている、と言う状況に出会ったときにどう対峙するか、というのは早めに(作家ごとに?)決断しておいたほうがよいかも。