緒川たまきという名前とのファーストコンタクトは、中学生の時読んでいた「CREA」誌(中学生の時はCREAがこの世でいちばんホットな雑誌だと思ってた。「女性誌SPA!」とか呼んでた)で「芸能人が選ぶ文学作品」みたいな特集をやってて、他の人たちがおしなべて三島三島太宰三島と答えるなかでただ1人『第七官界彷徨』を挙げてた時だった。当時はもちろん「集成」が出るどころか尾崎翠ブームなんて全然来ていなくて、新刊で手に入るのも出て間もなかったちくま文庫文学全集の一冊きりだったと思う。ホントにその本読んでるの? みたいな他の回答のなかで、それはかなり鮮烈だった。それからしばらくして「ナチュラル・ウーマン」のキャストに名前があったときもびっくりしたけど(でも結局その時には映画は観なかった)、やっぱり今でも緒川たまきというとそのことを思い出す。
尾崎翠という名前とのコンタクトもこれと、小川洋子がちょうど同じ頃に好きな作家として挙げてたのと、あとなんかの記事で「日本の女性SF作家のはしり」とか紹介されてた記憶がある)