「カンバセイション・ピース」保坂和志

そんな感じで「カンバセイション・ピース」ISBN4103982047(なんか帯に「著者最高傑作」とかあったのは、自分が初めて保坂和志を知ったのは「ブックthe文藝」という河出の本にあったエッセイでものすごい偉そうなことを書いてて、どんなもんじゃーと思って当時最新作だった「草の上の朝食」を読んだら1回目はそうでもなかったけど2回読むと悔しいくらいに面白かった記憶があって、それと同じ感じの不遜さだと思った)も読了。なんか「季節の記憶」より思考の割合が増えてて、しかも作品自体がそれに引きずられているような感じがしたのだけれど、それらがある(主人公の心内での)目的に基づいてるというのが分かってからはすんなり読めるようになった。それは例えば最後の結論だけを持ってきても分からないことで、数行の文章や1枚の図では描けない、何層もの思考を積み重ねたその全体でようやく表現できるものがある(「姑獲鳥の夏」とかそうだよね。というか殆どのものは本当はそれであるはず)というのを1冊全体で実感しただけでも収穫。自分も、この何だか分からないぐるぐる回るレビューみたいなものの集積で(それを纏めたりせずに)考えを示していこう。
あと↑の「会話」がどうとかで干刈あがたを思い出して、亡くなられてから(全作読んでから)読み返してないので近いうちに読んでみます。