スラムダンク同人

今読んでいる荷宮和子『おたく少女の経済学』(ISBN:4331006808)にスラムダンク同人に関する記述があったので引き写してみます(この本自体はなんか著者の狭い視点で描かれていて微妙なのだけど、あるいはやっぱり同人ってそうならざるをえない分野なのかもしれない)。

スラムダンク」は、オマージュを捧げにくい作品なのだと思う。「キャプテン翼」が、「もし男に生まれていたら持つことが出来たかもしれない少年の日々……」的感慨を抱くことが出来たのに比べて、「スラムダンク」はより日常的である。「君は君(だって男だから)、私は私(だって女だから)」的現実感を持った作品に対しては、たとえ漫画をばりばり描くおたく少女であっても第三者たる純粋な読み手として接せざるを得ないこととなる。
とは言っても、前述の通り「スラムダンク」を原典として漫画を描くおたく少女は少なからず存在する。しかしそんな彼女達にとって、「スラムダンク」を元ネタにした漫画を描く気持ちは歴史ジャンルの描き手に近い。彼女達にとって「湘北高校陵南高校が戦った」ということは「項羽と劉邦が戦った」ことと同様に、歴史的事実だからである。

例えば雁須磨子あたりがより自然なホモセクシュアルを描くようになったのも、「もし男に…」的な感慨が無くなった(少年を「理想の少女」としなくなった)からだろうか、ということを最近考えてます。
あと、何となく多田由美スラムダンクが関係ありそうな気がするんですが、妄想??