『祈りの日』倉世春 (ISBN:4086001896)

2002年コバルトロマン大賞佳作。放射能事故が起きた町の数年後とそこを故郷とする少年の話。ライトボーイズラブかなあと思ってたら、いきなり妙齢のお姉さんが中学生男子を誘惑してる!と驚きの展開。また少年の描き方がいい具合に偏っていて、ほとばしる(ほどではないけど)少年の性の衝動!みたいに感じたのは、あまりにほとばしりも衝動もしない西尾維新きみとぼくの壊れた世界』(そういえば、洋泉社『ミステリー迷宮読本』ISBN:4896917758ューがめちゃ作ってて面白い)を直前に読んでたからなのでしょうか。
竹岡葉月のデビュー作も確かそうだった気がするけど、最近のコバルト若手作家のは近未来で悩む少年ものが妙に多い気がする。電撃文庫からの流れなのか、歴史も中国もファンタジーも学校問題も飽きた昨今の事情からなのかは分からないけど。