オンナノコになりたい?

id:sayuk:20031109やid:sayuk:20031112#p1の話の補足ですが、これは単純な「オトコノコだけどオンナノコになりたい!」みたいな話ではなくて。そういう段階はもう最初期で終わってしまって、オンナノコ趣味(思考)だからオンナノコだとかオンナノコはみんな同じようにオンナノコ趣味(思考)だとかオンナノコ(思考)を知るためにオンナノコ趣味を知るとか、そういうことは考えてないのだと思うのです。そういうカテゴライズやそこからの脱出をぼくやぼくでない人たちはもう何度も通過しているんじゃないかと(そういうことはid:sayuk:20031112#p1でも書いてますが)。そのせいで何周もぐるぐるとしてしまって、結局どこを目指していたのか分からなくなっている所もあります。
ぼくの場合は多分やっぱり「オトコノコはオトコノコ」とされてしまうのが嫌で(それはid:sayuk:20030907#p2の「父性の不確実性コンプレックス」とも関わると思いますが)、例えばフェミニズムでも「男性のフェミニズム学者なんて不可能」と公言する学者がいたりします。あるいは少女漫画が好きでも「どうせ男性的な視線で都合の良い読みをしてるんでしょ」みたいな言われ方から常に逃れられない感覚があります。そういうのを解消するのにいちばん手っ取り早いのは「じゃあオンナノコになっちゃえ」ってルートで、「女性にしか(男性にしか)分からない」みたいな性差意識からすり抜ける方法なのでしょう。だから本当は多分、オンナノコにもオトコノコにもあるいはトランスジェンダー的な位置にもなりたくて、オトコノコ話にもオンナノコ話にも(とされているものにも)両方図々しく首を突っ込みたがっているのかと。あるいはそうすることで、別に両者に他方を排除するような差なんてないじゃんと思いたいのかもしれません。(もちろんこれはこれでひとつのカテゴライズになりつつあるんですが、それに批判的な視線はすでにぼくやぼくでない人たちの側にも形成されていると思います)
オンナノコになるといちばん良いのは、どこかの評論家みたいに女の子にインタビューしたり分析したりしてよく知らないオンナノコの思考を理解するとか、そういうことをしなくてよくなることです。だって自分がオンナノコだから自分の考えたことがオンナノコの思考なんだし! 例えば少女漫画を読んで「これは女性にはどのように読まれているのだろうか」とか悩んだりする必要はないのです。自分が読んで感じればいいんだし! 「女の子の考え方が分かってない」とか言われる必要もないのです。だって自分がオンナノコなんだし!(単に相手の「女の子」の考え方と自分の「女の子」の考え方が違うだけじゃない?)
そんな簡単にはいかないかもですが、ともかくあんまり「オンナノコになりたい」みたいな単純なことではないです、という話でした。あとこの手の話は今後は自粛します…。