「魔法陣グルグル」衛藤ヒロユキ(part2)

衛藤ヒロユキの絵って佐々木マキ(「ピクルス街異聞」あたりの)の影響がある気がする(と13巻129ページで思ったのだけど)。
グルグルの面白い所のひとつは、最初は魔法(グルグル)発動の方法が「魔法陣を描く」だったのが、「踊る」「歌う」「演じる(ミュージカル)」「編む(13巻あたり)」と変化してることで、つまり絵・音楽ダンス芝居ファッションという各分野を使って魔法を表現している所、とか言ってみる。
「ムジナトラックス」で好きなくだりの1つは、「世界には4つの力がある」という所。「弱い力」って言葉を聞いて主人公はそれが何なのか分からず悩む、しかし気になってる女の子が自分を褒めてくれた時(だっけ?うろ覚え)悟るのだ。「弱い力をてにいれた!」ベクトルとして象られた力ではない「弱い」力場の発生。谷川雁言う所の「いと小さき物が世界を動かす」、紀貫之が「力をも入れずして天地を動かし」と謳ったものはつまりは「グルグル」そのもので、ただの軌跡や模様や音の連なりが世界や他者をくるっと回すことこそ「魔法」なのだと思う。