「魔の山」トーマス・マン(読了)

id:sayuk:20030802にも触れてましたが、旅行中に上下巻読み終わりました。そりゃ1日14時間も電車に乗っていれば。前に読んだ記憶に比べめちゃめちゃ面白かったです。そりゃ前に読んだのが中1だったりすれば。
読んでない方のために登場人物(名セリフ込み)を紹介してみます。

  • ハンス・カストルプ:主人公。サブカルインテリに弱い厨房純情青年。その余りにアレな言動に読者はドキドキ。女口説くのに解剖学と細胞生物学用語使ったり。しかし選択肢全部失敗してるので攻略不可能。せめて話し掛けないとフラグ立たないよー。「えいえん永遠の中では、話なんか必要じゃない」
  • ヨーアヒム:ハンスのいとこ。常にハンスのアレな言動に振り回される、雅史ちゃんみたいな役。
  • クラウディア・ショーシャ:ヒロイン。時代はロシア女子高生でもロシア少女でもなくロシアお姉さんだ!ってな感じ。バッドエンドしかないけど、別れの際に(ネタバレ注意)自分のレントゲン写真を記念にくれるという萌えシーンあり。「あいかわらず哲学的な能なしね、あなたは」って言葉責めプレイですか!?
  • セテムブリーニ:毎日ふと現れてハンスにいろいろ忠告と説教をしてくれる委員長役。3周目くらいで攻略可能かも。「折にふれて頭の中に湧きだしてくるものを、残らず記憶してはいられません」
  • ベーレンス:恋のライバル(ただし主人公の脳内認定)。医者の立場を利用して以下略。「あの小猫はフランス語、さらには新高ドイツ語までも、いかにも可憐ににゃおにゃおやりますが」にゃおにゃお。
  • その他:交霊少女とかいますが基本的に攻略不可能キャラです。

ショーシャルートBADEND後の下巻はあまり面白くないので(後半ショーシャが復活してからはそれなりに)上巻がオススメ。よく魔の山は「教養小説」と言われるけど、結局主人公のやってることや考えてることは教養の積み重ねに比例せず進歩のないものに自分には感じた。それが教養への皮肉なのか(この作品がそもそも教養小説じゃないのか、あるいはそれがトニオ・クレーゲルで言ういわゆる「迷える俗人」なのか)、それとも今読むからそう感じてしまうのか。21世紀にもなって「魔の山」なんて読んでる他の人がいたらどう感じたか教えて欲しいです。