「壊れるほど近くにある心臓」佐藤智加

デビュー作の「肉触」はタイトルほど肉肉しくなく、ちょうど理科室の人体標本のような植物的な肉感覚が良かった覚えがある(あとなんか蛙の話だった覚えがある。伊井直行パペットマペットか?(違)みたいな)2作目は赤いピエロに食われる強迫感少女(バナブレ?)と義弟2人の話で、なんか延々観念的な関係だの何だのを並び替えるだけで、これってヘボい「壊音」?教授推薦?みたいな。前作のぬめっとした文体も無くなっててなんだかなあ。
これって今年の三島賞候補なんだけど、他が野中柊嶽本野ばら黒田晶とかで(受賞はもち舞城王太郎)こっちもなんだかなあ(ついでに清純派で島本理生でも入れとけ)と思ってたら、筒井康隆苦言。「何度も言うようだがセックスとは書くものではなくするものだ」何度も言ってたのか! 「近年、某社からやたらに若い女性の書き手が登場するが、(中略)ティーンエイジャーの女性文学者だけで「モーニング娘。」を作ってどうするのか。」そうだそうだ〜(でもあなたも某社の選考やってなかった??)。そして元美青年作家の島田雅彦(娘。に対してオダギリあたり?)の選評も面白い。「昔、「1980アイコ十六歳」という小説が書かれ、現在、教科書にも載っているが、古いアイコはどうしているだろう?」そうだよねー、結局昔から松浦理英子中沢けい篠原一と来てるんだよね。その辺いくらやっても最年少記録を更新できない元オトコノコの嫉妬なのかも。